【全日本中学選手権2026東京勢展望】女子四種競技は柴田vs.新井、東京勢2人のハイレベルな争いに。優勝争いが期待される選手たちは?

 今年の中学日本一を決める全日本中学選手権が8月20~23日、山口県の維新百年記念公園陸上競技場で行われる。東京勢は新井凛生(ペンタスAC・3年)が女子100mと四種競技の2種目で今季中学リスト1位。全日本中学選手権は四種競技に出場予定だが(個人種目は1種目のみの出場)、関東中学に優勝した柴田麻央(深川五中・3年)も新井と同レベルで東京勢同士の激しい戦いが予想される。また男子3000mと女子1500mでは複数の東京勢が今季中学リスト10位以内(データは日本陸連ホームページに準拠)に入っていて、ダブル入賞の可能性がある。男子では100mの大西凌駆(第二南砂中・3年)、と200mの高尾悠(目黒中央中・3年)、走幅跳の大西、女子では短距離のバログン・イズミ(千住ジュニア・3年)も優勝争いをする力がある。

●直接対決では柴田が2連勝中も、記録では中学歴代2位の新井がリード

 新井と柴田のライバル対決が、全国大会に舞台を移して再現される。

 2人の直接対決は柴田が2連勝している。6月の東京都中学地域別区部大会では柴田が3130点、新井が2984点。8月の関東中学では柴田が3208点(中学歴代4位)、新井が3134点だった。しかし自己ベストでは、7月の東京都中学総体で3280点の中学歴代2位をマークした新井が上回っている。

 2人は得意種目が異なる。東京都中学総体の柴田は四種競技ではなく、100mH(高さ0.762m)と砲丸投(2.721kg)に出場し、13秒85(+0.9)と12m46で優勝した。100mH予選では13秒81(-1.4)の今季中学リスト4位をマークしている。一方の新井は短距離と走高跳が全国トップレベルだ。四種競技には含まれないが、100mでは7月の江東区選手権で11秒78(+0.9)の今季中学最高・中学歴代7位記録で走り、200mでは7月に24秒91(±0)の今季中学リスト8位記録をマークした。走高跳では7月に1m68の今季中学リスト4位の高さをクリアしている。新井の父親は100 mと200mの関東インカレ優勝者、母親は走高跳のインターハイ優勝者で、両親の専門種目で強さを発揮している。

 2人の四種競技の自己記録と各種目の自己記録を比較した表からも、2人の力が拮抗していることがわかる。

 全日本中学選手権では初日最初の100mHで柴田がリードし、走高跳で新井が逆転、2日目最初の砲丸投で柴田が再逆転するスリリングな展開が予想できる。決着は最終種目の200mに持ち込まれるだろう。そして2人とも中学記録の3296点更新の可能性がある。

●男女中・長距離種目で複数入賞の可能性

 女子1500mでは髙橋希ノ葉(吾嬬立花中3年)が関東中学に優勝し、増田華梨那(KJR・L・2年)が2位と東京勢がワンツーフィニッシュ。土井歩乃花(桜修館中等・2年)も5位に入った。髙橋が関東中学で出した4分26秒42は今季中学リスト2位、増田の4分30秒37は今季中学リスト6位につけている。

 全日本中学選手権では今季中学リスト1位(4分23秒44)で、1年生ランナーとして注目の村山玲奈(北島中1年)に挑む。

 男子3000mでは東京勢3選手が、以下のように今季中学リスト10位以内に入っている。

7位 8:40.27 今泉泰司(城北AC・3年)

8位 8:41.00 笹田篤人(城北AC・3年)

9位 8:41.76 横田てら(KJR・L・2年)

 しかし、関東中学(8月6日)で笹田は3位に入ったが、今泉は9位、横田は13位と振るわなかった。

 勝ち抜き戦のインターハイと違い、全日本中学選手権は標準記録を突破した選手が出場する。必ずしも関東中学で上位に入る必要はなく、現状の確認とその後の対策を立てるために出場する選手も多い。男子3000mの東京勢も関東中学で確認できたことを生かし、全日本中学選手権本番に結びつけたい。

●今季中学リスト10位以内の入賞候補が多数

 ここまで紹介してきた選手たちを含め、今季中学リスト10位以内の東京選手が多数いる。

 男子100mでは大西が10秒73(+0.1)で今季中学リスト7位。追い風参考を含め10秒7台で4レースを走っていて優勝候補の一角に挙げられている。大西は走幅跳でも7m12(+1.3)を関東中学で跳んで2位。今季中学リストでは3位で、走幅跳でも全国トップレベルの力を持つが、100mへの出場が有力視されている。

 男子200mの高尾悠(目黒中央中・3年)は、今季中学リスト4位の21秒83(-1.1)持って山口に乗り込む。男子1500mのオカ田村サミュエル(葛飾新宿中・3年)は今季中学リスト9位の3分59秒50で関東中学に優勝した。男子四種競技の川島諄己(三沢3)は、今季中学リスト7位の2697点で関東中学3位に入った。

 女子100mでは新井が11秒78(+0.9)で今季中学リスト1位、バログンが11秒82(+0.9)で今季中学リスト2位。2人とも他種目に出場の見込みだが、この種目に出場しても優勝候補に挙げられる。女子200 mではバログンが今季中学リスト4位の24秒42(-1.4)を持ち、関東中学でも優勝している。

 女子800mでは1500mでも紹介した髙橋が、今季中学リスト3位の2分09秒58を持つ。1500m出場が有力だが、800mに出場した場合も優勝候補の1人と言える。100mHでは前述のように柴田が今季中学リスト4位の13秒81(-1.4)を持つ。四種競技出場が予想されるが、この種目に出場しても上位候補に挙げられる。

 そして女子棒高跳では川端祐実(成城学園2)が、今季中学リスト6位の3m50を跳んでいる。今季の中学生は3m71~50が6選手いるが、川端も本番で自己記録を伸ばせば優勝争いに加わることができる。

執筆者】 : 寺田辰朗         寺田的陸上競技WEB