【インターハイ南関東予選展望フィールド種目編】男子走高跳の清水が今季高校リスト1位。女子跳躍3種目は全国大会前哨戦に

 インターハイ南関東予選が6月12~15日に、茨城県の笠松運動公園陸上競技場で開催される(北関東予選も同時開催)。東京、山梨、神奈川、千葉の1都3県の予選を勝ち抜いた選手たちが、7月30日から滋賀県彦根市で行われるインターハイ全国大会の出場権(一部種目を除き各種目6人)を争う。フィールド種目では清水怜修(明星学園高3年)の、東京都予選男子走高跳優勝時の2m10が今季高校最高記録となっている(6月5日時点の日本陸連データ)。男子円盤投の福宮佳潤(東京高3年)が4月に投げた50m76は、今季高校2位記録。女子跳躍種目は南関東のレベルが高く、インターハイ前哨戦となることも予想される。全国大会への最終関門に挑む東京陸協登録選手たちを紹介する。

●跳躍:女子跳躍3種目は他県の今季高校最高記録選手に東京勢が挑む

 跳躍種目の東京勢も全国レベルの選手が揃う。男子走高跳では清水怜修(明星学園高3年)が、インターハイ東京都予選で2m10を跳んで優勝した。2位に15cm差の圧勝。昨年9月の東京都高校新人戦でクリアした2m12の自己記録には届かなかったが、6月5日時点では今季高校最高記録である。

 神奈川、千葉、山梨のインターハイ県予選では、2m00を越えた選手はいなかった。焦点は清水の自己記録への挑戦になる。

 男子走幅跳では大野航平(八王子高3年)が、インターハイ東京都予選に7m33(+1.1)の今季高校4位記録で優勝した。南関東地区ではトップの記録だが、千葉県予選に7m25(+0.9)で優勝した白川泰地(幕張総合高2年)との争いになるか。

 女子三段跳は酒井珂璃那(八王子高3年)が、インターハイ東京都予選の最終6回目の試技で12m49(+0.3)の大会新を跳んで優勝した。酒井自身が昨年9月の東京都高校新人戦でマークした東京高校記録とタイで、今季高校4位記録である。昨年のインターハイ6位(12m24・-1.7)、U18大会4位(12m33・+0.5)、国スポ少年A5位(12m26・+0.1)と全国大会の実績も十分だ。

 だが今年の南関東はこの種目のレベルが高い。野澤和心(山梨・甲府南高2年)が12m79(+2.0)の今季高校最高を、杉本百音(千葉・市船橋3年)が12m56(+0.1)の今季高校3位記録を跳んでいる。インターハイ神奈川県予選では星澤綾音(小田原高3年)が12m28(+0.7)で優勝した。南関東予選は激戦が予想される。

 女子走高跳はインターハイ東京都予選が混戦となった。優勝した谷口天音(白梅学園高2年)と2位の瀬上真央(八王子高2年)が1m68、3位の青柳美玲(都駒場高2年)と4位の野口咲彩(明星学園高1年)が1m65。野口は七種競技中の走高跳で1m69と、単独種目の優勝記録を上回った。

 東京が選手層の厚さを見せている種目だが、南関東には昨年のインターハイ2位タイの鴨田るな(神奈川・東海大相模高3年)や、昨年の全日本中学選手権優勝の吉田灯織(千葉・木更津総合高1年)がいる。鴨田は5月に1m77の今季高校最高を、吉田は4月に1m74をクリアした。全国でも優勝候補となるライバルたちに東京勢が挑む。

 女子走幅跳は近藤花奏(八王子高2年)が4月の東京選手権で優勝時に、5m93(-0.3)の今季高校5位記録をマークした。しかしインターハイ東京都予選では、近藤を川端梨聖(東京高3年)が破って6m00(+2.6)で優勝した。近藤は5m82(+2.4)で2位。レベルの高い戦いを展開した。

 しかしこの種目も南関東のレベルが高い。千葉県予選では2位の原佑奈(渋谷学園幕張高3年)が、6m00(+2.0)の今季高校最高をジャンプ。小林夕芽(市船橋高2年)は優勝記録が追い風2.2mで参考記録となったが、6m10の距離を跳躍した。

 南関東勢が今季高校最高をマークしている女子跳躍3種目は、インターハイ前哨戦の様相を呈する戦いとなりそうだ。

●投てき:南関東予選で“勝ちぐせ”をつけたい福宮。圓には女子投てき2冠の可能性も

 投てき種目では男子円盤投で、4月に50m76の今季高校2位記録を投げた福宮佳潤(東京高3年)に注目したい。昨年は51m28の高校リスト3位記録を4月に投げたものの、インターハイも国民スポーツ大会少年Aも、入賞を逃してしまった。

 大舞台で力を発揮できない予兆は、昨年の南関東予選の4位(44m23)という結果にも表れていた。円盤投は風の影響はもちろん、サークルの滑り方でも記録は左右される。大舞台で自己記録を投げられる確率は、世界レベルの大会でも低い。だがそれを考慮しても、福宮の記録は大きな大会ほど下がっている。

 まずは南関東予選に勝つことで“勝ちぐせ”をしっかり付けたい。

 男子砲丸投では三浦大翔(東京高3年)が4月に、16m32の今季高校7位記録を投げている。昨年のインターハイで、当時1年生ながら8位に入賞した原裕斗(八王子高2年)と2人が、全国大会でも入賞する力を持つ。4月に16m57の今季高校4位記録を投げている出水澤佑也(神奈川・藤沢清流高3年)との好勝負が期待できる。

 男子やり投には昨年のインターハイ8位(60m45)の上田惺(都駒場高3年)が出場する。今季はインターハイ東京都予選で高階蒼大(工学院高3年)に敗れ、シーズンベストも58m50にとどまっている。優勝候補は66m11の今季高校最高を、神奈川県予選で投げている松本一颯(森村学園高3年)。松本との対決で、上田がどこまで記録を伸ばしてくるか。

 女子では圓(まとめ)成美(藤村女高3年)に注目したい。砲丸投は13m09の今季高校5位記録で東京都予選に優勝。千葉県予選を13m29で制した田中実生(東京学館船橋高3年)との対決になる。円盤投は5月の記録会で投げた41m30が今季高校8位で、40m74を神奈川県予選で投げた岡美優(法政二高2年)ら、40m台を今季投げている3選手との戦いになりそうだ。

 陸上強豪高ではない環境だが、顧問の中川信太郎監督とトレーニング方法などを研究しながら圓は成長した。ライバルたちと持ち記録は小差だが、女子投てき2冠の可能性もある。

執筆者】 : 寺田辰朗         寺田的陸上競技WEB