【全国都道府県対抗駅伝に挑む東京チーム・女子編】中学生区間の3区終了時に優勝争いに加わり、3年ぶりの入賞を

第44回全国都道府県対抗女子駅伝が1月11日、京都市のたけびしスタジアム京都をスタート・フィニッシュとする9区間42.195kmで行われる。東京代表はキャプテンの唐沢ゆり(クラフティア)ら13選手が選ばれている。東京チームは20年大会の3位が過去最高順位。その年に10000m日本記録をマークする新谷仁美(ナイキTOKYO TC。現積水化学)が、アンカーの9区で6人抜きを見せて達成した。23年も5位と、このときは代表レベルの選手はいなかったが総合力で入賞を勝ち取った。今年の東京チームはどんなメンバーで、全国の強豪チームに挑もうとしているのだろうか。

●3位の20年大会と5位の23年大会

 東京都チームは過去10年間、全国都道府県対抗女子駅伝で以下の戦績を残してきた。

2016年・6位

2017年・14位

2018年・14位

2019年・9位

2020年・3位(過去最高順位)

2021年・大会中止

2022年・20位

2023年・5位

2024年・12位

2025年・14位

 20年大会の3位は実業団勢がチームを牽引した。2区の菅田雅香(JP日本郵政グループ)が区間3位でチームを5位に浮上させ、入賞圏内の流れを作った。8区で9位に落ちたが最長区間の9区で新谷が、区間記録に5秒と迫る快走を見せ過去最高順位を実現させた。

 それに対して23年大会は若手選手たちが活躍した。小川陽香(順天高。現立教大)が1区で区間9位と好スタートを切り、3区の一兜咲子(大宮中)、5区の増渕祐香(名城大。現第一生命グループ)、6区の鈴木美海(順天高。現筑波大)、8区の大木優奈(葛西二中)が順位を上げ、8区終了時には2位を走っていた。

 全国高校駅伝上位常連校がある都道府県が、この大会でも上位に入ることが多い。実業団勢が快走した20年大会の東京も、3区で10位に後退した順位を4区の増渕祐香(錦城学園高)が、7位へ再浮上させた。23年大会は順天高の小川と鈴木が前述のように好走した。順天高は1カ月前の全国高校駅伝で、東京勢過去最高の9位に入っていた。

 登録選手ということでいえば、実業団のトップチームが東京陸協に多く登録しているが、日本代表を目指すスケジュールになる。マラソンや学生駅伝との兼ね合いで、この駅伝に出られないことも多い。重要なのは高校生の強化で、そこがしっかりできれば学生・実業団選手も強い選手が増え、全国都道府県対抗駅伝に出場する選手のレベルがアップする。

●今年の東京代表選手たちの実績、特徴は?

 坂田杏(平井中)は全日本中学選手権1500mで7位に入賞した選手で、12月には3000mでも東京都中学記録を更新した。中学生区間は3区と8区だが、他の中学生選手も力があり、区間の特性も考慮して区間配置を決める。前半の3区は競り合いになることが多いのに対し、終盤の8区は単独走となる可能性が高い。坂田をどちらの区間で生かすかを、スタッフが検討している。

 実業団・学生選手では小川陽香(立教大3年)が、増渕のように大学で成長し、U20日本選手権3000m優勝(23年)、日本インカレ10000m優勝(24年)など、トラックの世代別大会では上位の常連選手になっている。好調なのは原田紋里(第一生命グループ)で、11月のクイーンズ駅伝2区で区間5位と好走した。東京世界陸上1500m代表の木村友香(積水化学)や、パリ五輪1500m代表の後藤夢(豊田自動織機)らが出場していた区間。原田は区間2位の木村友香に10秒差と健闘し、後藤には5秒勝っている。

 高校生で今季の実績があるのは、竹下未悠(上水高3年)と伊藤晴香(駒澤大学高2年)の2人。竹下は個人種目では全国インターハイには出られなかったが、11月の東京都高校駅伝では最長区間の1区(6km)で区間賞を獲得した。最近の東京陸協が行う合同練習でも「安定感のある走りをしている」(小川欽也駅伝部長)という。伊藤は5月のインターハイ東京都予選で1500m、3000mの2冠。「集中力があり、昨年から大きく成長しています」(小川部長)。全国高校駅伝1区(区間30位)を走った野口夏音(順天高2年)も「夏以降に大きく成長し、勢いがあります」(小川部長)と期待されている。

●中盤区間の高校生たちの粘りが重要に

 全国都道府県対抗女子駅伝の各区間の距離は以下の通り。

第1区・6km

第2区・4km

第3区・3km

第4区・4km

第5区・4.1075km

第6区・4.0875km

第7区・4km

第8区・3km

第9区・10km

 中学生は3区と8区に出場が限定されているが、他の7区間は高校生が走っても、実業団・学生選手が走ってもいい。ただ高校生は、必ず3区区間以上を走る規定になっている。

 東京は今年も日本代表クラスの選手はいないため、23年のような戦い方を目指すことになる。小川駅伝部長は、「中学生が力があるので、3区終了時点で先頭争いに加わっていたい」と話す。そのためには1、2区に起用される可能性の高い実業団・学生選手が、上位の流れをしっかり作る必要がある。

 そしてカギを握るのが中盤区間。「高校生たちが中盤でどう粘るかが、入賞できるかどうかを左右します」

 今年の東京代表選手たちは、個人種目の実績や記録では他の入賞候補チームに及ばないかもしれない。だが東京陸協の駅伝強化プロジェクトで、高校生・中学生を中心に夏季合宿、12月の合宿、年明けの練習会と、一緒に練習をする機会を多く設けてきた。選考のレベルが高くなるだけでなく、レース中も寝食を共にしてきた仲間が待っていると思うと、もうひと頑張りができる。12月21日の全国高校駅伝で男子の拓大一高が、2時間03分34秒の東京都最高記録で7位。東京勢としては30年ぶりに入賞したことも、女子チームを活気づかせている。

「1人1人では勝てなくても、みんなで力を合わせることで勝つことができるのが駅伝です」(小川部長)

 テレビ中継やインターネットの記録速報から、東京チームの頑張りが伝わってくるはずだ。

執筆者】 : 寺田辰朗          【執筆者のWEBサイト】 : 寺田的陸上競技WEB