【国民スポーツ大会東京勢展望(1~2日目)】前回優勝の森﨑、ランキング1位の清水と廣川ら、優勝候補が続々登場

 第80回国民スポーツ大会の陸上競技が10月15日~19日、青森県青森市のカクヒログループアスレチックスタジアムで行われる。東京チームは29人の選手が選ばれ(東京チーム選手団★★★★★リンク挿入https://toriku.or.jp/storage/963b04b28a96de9307e2e62f5e3eba22.pdf)、前半(1~2日目)だけで資格記録によるランキング3位以内の選手が8人も登場する。大会2日目の少年男子共通走高跳・清水怜修(明星学園高3年)と、少年男子B砲丸投・廣川泰輝(東京高1年)はランキング1位で大会に臨む。少年男子共通110mHの淺内湧一朗(日大豊山高2年)、成年男子110mHの横地大雅(Digverse)、成年女子100mHの島野真生(渡辺パイプ)らは優勝争いをして、“ハードルの東京”をアピールしそうだ。

●1日目(10月15日):前回優勝の森﨑の復調ぶりに注目

 大会初日に決勝が行われる種目で、東京勢がエントリーしているのは下記の3種目。( )はエントリー時点の資格記録のランキングだ(2日目も同じ)。

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(3)成年女子走高跳:森﨑優希(日女体大3年)

(2)少年男子共通110mH:淺内湧一朗(日大豊山高2年)

(2)成年男子110mH:横地大雅(Digverse)

※国民スポーツ大会の年齢区分は以下の通り

成年:高校卒業後の選手

少年A:高校3年生と2年生

少年B:高校1年生と中学3年生

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 森﨑は昨年の滋賀国スポに1m85の学生歴代6位タイ記録で優勝した選手。しかし今季は1m79がシーズンベスト。国スポ連覇は森﨑がどこまで復調しているか、にかかっている。

 課題は「気持ちだけ」だと森﨑は言う。

 9月上旬の日本インカレは1m75で4位。大会前の練習では、「バイクや助走付き立ち五段跳び」(森﨑)の数値は1年前を上回っていた。だがいざ試合になると、今シーズン前半の悪いイメージに引きずられてしまう。

「素材(身体)はでき上がっているので、あとは絶対に跳べる、っていう自信をつけるだけかな、と思っています。国スポまでの期間で気持ちを持って行けるように頑張ります。(国スポの目標)記録は1m86です」

 不調だったとはいえ、8月のトワイライト・ゲームスで跳んだ1m79は自身サード記録。昨年のように国スポで、一気に記録を上げる可能性はある。

 110 mH2種目でも東京勢が優勝候補に名を連ねている。成年男子110mHの横地は、6月の布勢スプリントで出した13秒27(+0.8)が資格記録でエントリー選手中2位。1位の野本周成(愛媛競技力本部)は13秒12(+0.9)で0.15秒の差があるが、9月中旬の全日本実業団陸上では0.02秒差で競り勝った。レースパターンはスタートで飛び出す野本に対し、後半で追い上げる横地と対照的。フィニッシュラインまで目の離せない戦いになる。

 少年男子共通110mHの淺内は、エントリー時の資格記録は13秒65(+1.0)で2位だったが、10月上旬のU20日本選手権で13秒4~5台が多く生まれたためランキングは下がっている。しかし淺内は大きな舞台に強いことが特徴で、今年8月のインターハイも3位と健闘した。インターハイは一般と同じハイハードル(高さ106.7cm)だが、国体少年共通はジュニアハードルで高さが99.1cmと低くなる。淺内はジュニアハードルの方が苦手だと8月の合宿時には話したが、1年時にはジュニアハードルのU16競技会(全国大会)に優勝した実績もある。

 初日の3人で東京チームがスタートダッシュを決める。

●2日目(10月16日):少年B種目にランキング1位の廣川、中学チャンピオンの新井と髙橋らが登場

 大会2日目に決勝が行われる種目で、東京勢がエントリーしているのは下記の13種目。優勝者が複数、3位以内の選手も多数生まれることが期待できる一日となる。

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(1)少年男子共通走高跳:清水怜修(明星学園高3年)

(10)少年女子共通やり投:新井里奈(南多摩中等高3年)

(3)少年女子B走幅跳:岩橋彩吹(八王子高1年)

(1)少年男子B砲丸投:廣川泰輝(東京高1年)

(4)成年女子100mH:島野真生(渡辺パイプ)

(2)少年女子B1500m:髙橋希ノ葉(したまちAC)

(20)少年男子B100m:左近耀太郎(明大中野高1年)

(2)少年女子B100m:新井凛生(ペンタスAC)

(16)少年男子A100m:増田陽太(八王子高2年)

(19)少年女子A100m:吉永ひまり(明星学園高2年)

(13)成年男子100m:林明良(慶大4年)

(24)成年女子100m:税田ジェニファー璃美(甲南大3年)

成年少年男女混合4×400mR:東京

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 少年男子共通走高跳・清水怜修(明星学園高3年)と、少年男子B砲丸投・廣川泰輝(東京高1年)は、エントリー時の資格記録がランキング1位。

 清水は昨年の国スポが4位(2m09)、今年7月のインターハイが7位(2m04)、10月のU20日本選手権が6位(2m04)。高校に入って全国タイトルを取ることができていない。インターハイのリベンジではなく、「サポートしてくださった方たちへの恩返しがしたい」という。「高校競技生活、国スポで優勝できたらヨシっていう感じです」

 今季の清水は安定した強さはあるが、抜き出ることができない。インターハイもU20日本選手権も、2位選手と同記録。上位選手たちの力に差がないのが、高校走高跳界の現状と言っていい。気象条件にも左右される部分だが、2m15前後のバーを跳び、高校競技生活の最後を全国優勝で締めくくりたい。

 廣川は昨年の全日本中学選手権は9位(14m30)と、入賞をあと1人のところで逃している。東京高に入学して記録を大きく伸ばし、16m42でエントリー選手のランキング1位につけている(中学と少年Bの重さは5kgで同じ)。だがこの種目のランキング2位選手は16m40で、廣川と2cm差しかない。16m以上の選手も6人いるので混戦と言っていい。

 清水、廣川ともランキング1位だが、絶対的な本命選手とは言えない状況なのだ。優勝するためには、自己記録を更新するくらいのパフォーマンスをしたい。

 廣川をはじめ2日目の少年B種目に、東京勢の優勝候補が多い。女子では100mに新井凛生、1500mに髙橋希ノ葉と、8月の全日本中学選手権優勝者の2人が出場する。

 新井が全日本中学選手権で優勝したのは100mではなく四種競技(100mH・走高跳・砲丸投・200m)。3395点と中学記録を99点も更新した。200mと走高跳でも今季中学リストヒト桁順位に入っているが、100mでは7月に11秒78(+0.9)の今季中学最高記録で走っている。今回の国スポは高校1年生も出場するものの、エントリー選手の資格記録のランキングで2位につけている。

 昨年の東京選手権に出場(100m2位)したときに新井は、「いろんな種目を体験して結果的に、短距離で全ての競技のいいところを繋げて速くなれたらいいな、と思っています」とコメントしていた。短距離に絞っていく時期を早急に決める必要はないが、国スポ100mの結果が何らかの判断材料になる可能性はある。

 髙橋も全日本中学選手権優勝時の4分24秒61が、エントリー選手の資格記録のランキングで2位につけている。高校の長距離強豪校の選手も多く出場するので、勝つことは簡単なことではない。だが髙橋も、全日本中学選手権では2位に4秒25の大差をつけた。新井と髙橋の中学生コンビが、高校生を相手にどんなレースをするか、注目したい。

 また少年女子B走幅跳でも岩橋彩吹(八王子1年)が、出場資格記録でエントリー選手中3位につけている。2日目の少年B選手たちの活躍で、天皇杯(男女総合)優勝を目指す東京チームに勢いがつく。

【執筆者】 : 寺田辰朗         寺田的陸上競技WEB