最初の種目(7:30スタート)の女子35kmW(男女同時実施)には渕瀬真寿美(建装工業)が出場する。渕瀬は07年大阪世界陸上20kmWに出場した選手で、地元開催の世界陸上2大会を歩く。
大阪では27位だったが次の09年ベルリン大会では6位と、女子競歩初の入賞を成し遂げた。12年ロンドン五輪20kmWでも8位と、女子競歩五輪初入賞もした選手。世界陸上は今回で7回目の出場で、19年ドーハ大会には50kmWで、23年ブダペスト大会は35kmWで出場した。
07年大阪大会当時は京都の龍谷大3年生で、出身地の兵庫陸協登録だった。関西を拠点としていた時代に大阪世界陸上を歩いた渕瀬が、18年の時を経て東京世界陸上を東京陸協登録選手として歩く。
19:50開始の女子1500m予選に出場する木村友香(積水化学)の記録も、“東京視点”で注目される。東京記録は同じ積水化学の卜部蘭が、21年東京五輪予選でマークした4分07秒90(日本歴代3位)。積水化学チーム関係者によれば、卜部の記録を更新できそうな練習ができているという。
21:30スタートの女子10000m決勝には廣中璃梨佳(JP日本郵政グループ)が出場する。廣中が入賞すれば23年ブダペスト大会7位に続いて2大会連続入賞となる。廣中は20歳で出場した東京五輪でも7位と快走した。国立競技場開催の世界大会連続入賞も、同時に達成することになる。
男女混合4×400mRは世界陸上初の予選突破の可能性がある。出場メンバーは当日にならないとわからないが、日本チームは中島佑気ジョセフ(富士通)ら、個人種目出場選手を起用しない方針を明らかにしている。日本選手権男子400m2位の今泉堅貴(内田洋行AC)、同3位の田邉奨(中大2年)、日本記録保持者の佐藤拳太郎(富士通)ら、東京陸協登録選手が3人もリレー候補として代表入りしている。
男女混合4×400mRは11:40に予選が行われ、初日最後のトラック種目として22:20に決勝が行われる。今季は女子選手が400mの記録を大幅に短縮し、3分15秒71の日本記録を出した23年シーズンと比べ、女子2選手の合計タイムで今季は3秒01も上がっている。東京陸協登録選手が走る可能性が高い男子の頑張りが加われば、この種目初の入賞が実現する。

【執筆者】 : 寺田辰朗 【執筆者のWEBサイト】 : 寺田的陸上競技WEB
